自作CNCをやってみた #1
はじめに
3Dプリンターを手に入れた事をきっかけに前々から欲しかった基板切削用のCNCを作ってみました。苦労はありましたが安定して基板切削ができるまでのものを完成させることができました。と言っても設計したわけではないですが。備忘録として記事にしていこうと思います。
参考サイト
今回の工作は先人たちの知恵をたくさん借りて組立てました。記事を書く前に一覧にしておきます。
- 自作CNCの設計データ
GitHub - CarlosGS/Cyclone-PCB-Factory at v2.3
- CNC制御ファームウェア
- CNC制御用のパソコンソフト
Home · vlachoudis/bCNC Wiki · GitHub
Arduinoでメカトロニクス製品を動かそう | ORIGINALMIND オリジナルマインド
- ハードウェアからソフトウェアの設定方法にいたるまでお世話になったブログ
- 基板切削にあたってオートレべリングの参考にさせて頂いたブログ
自作CNCの設計データをダウンロードする。
Cyclone PCB Factoryという名前で公開してくださっている。組立方法もしっかり書かれていてありがたい。
ダウンロードしてきたファイル一式からOutput_filesフォルダの中身が印刷データになっている様子。基本的にはこれをすべて印刷すればよい。
追加パーツを用意
3Dプリンターパーツに追加でパーツを用意する必要があります。ネジ類とバネ、リニアブッシュ、ベアリング、シャフト、長ネジを用意します。詳しくはダウンロードしてきたファイルのAssemblyInstructionsフォルダの中に組立方法を記したpdfがあります。スペイン語らしいですが写真を載せてくれているのでわかると思います。ネジ類はホームセンターで用意できましたがリニアブッシュとベアリングは見つからなかったので通販しました。シャフトとか長ネジは通販で買うと送料が高くつくのでホームセンターを探した方が良いです。シャフトはステンレス製にしました。
シャフトと長ネジを適切長さに加工
組み立て説明書にある長さに加工しました。高速切断機でカットしました。お家にない方は工作室を使うか、適切な長さのものを最初から買いましょう。
電装パーツを用意
CNCを動かすためにモータと制御基板が必要です。自作CNC用にセットになったものを買うと良いでしょう。それとこのCNCではスピンドルにリューターを用いる事で簡単にしているようです。ここは素直におススメされているリューターを買いましょう。
Amazon.co.jp: Kuman 3Dプリンター セット Arduinoに交換 CNCキット R3ボード+CNCシールドV3+A4988ドライバ+ヒートシンク+Nema17ステッピングモータ+機械的スイッチEndstop GRBL 0.9交換 実験用 電作キット KB02: 産業・研究開発用品
www.monotaro.com
CNC本体を組立て
組み立て説明書を見ながら組み立てましょう。Output_filesフォルダの中のtemplatesフォルダの中にベース板のテンプレートファイルがあります。これにパーツのねじ止め位置が示されています。なんでも良いと思いますが剛性のある板をベースにしてこのテンプレートファイルに合わせて組立始めましょう。僕は若干y方向に長さを伸ばしました。ステッピングモータやリミットスイッチも取り付けましょう。
ベースに固定
リニアブッシュを挿入
y軸シャフト
ワーキングエリア
3mmアクリルで製作しました。モザイクで見苦しくてすみません
ワーキングエリアをセット
なんだかんだで完成
電装系を配線
配線する上で注意したいのがこの手のCNCシールドにはV3.5とV3.0があるらしくて若干配線が違うという事です。書き込むファームウェアgrblのバージョンによって対応基板が違います。grbl v0.8以前ではCNCシールドV3.0を。grbl v0.9以降ではCNCシールドV3.5を使用します。今回、僕が買ったのはCNCシールドV3.0でした。ですがgrblの最新版を使いたいのでシルクに書かれているものとは違う配線を若干違う配線をすることで対応可能です。
こちらのブログを参考にさせて頂きました。
cnc-selfbuild.blogspot.com
マイクロステップ設定
普通は微細にすればよいです1/16に設定しました。(後述しますが後で1/8に変えました。)
電流制限設定
ステッピングモータへ流す電流の設定です。使用するモータに合わせて変更しましょう。
こちらのブログを参考にさせて頂きました。
www.cooptec.jp
あとはシルクの通りに配線すれば良いです。X軸、Y軸のリミットスイッチとX,Y,Zのステッピングモータの配線です。電源にはパソコンの電源をはぎ取って使用しました。本当は24V電源の方が良いと思います。
次回はソフトウェア周りをやっていきます。